​田中幹人

あぶない所へ行ってみよう

写真プロジェクト

120フィルム(6x7)

 

人がいるはずのない景色の中に、人がいる。しかも軽やかで大胆、時にばかばかしいポーズで−−−−。田中幹人が2003年から撮り続けるシリーズ “try to go, over there”は、彼自身が「そこへ行く」、つまり被写体となっている連作である。時間や場所を判断する要素を一切そぎ落としたモノクロ世界の中で、鉄橋や観覧車、水面の上といった突拍子もない場所に「いる」彼は、見る者の先入観や固定観念を軽々と飛び越えて、さらにその先へ行こうとしたり、飛び跳ねたり、空中に留まっていたりと自由自在で、彼の鼻歌さえ聞こえてきそうである。事実、「そこへ行く」ことで得られる「自分だけの視点」をひとり愉しむために、彼は撮り続けている。構図や露出を決めたらシャッターボタンを信頼する者に任せ、「そこ」へたどり着いた達成感と解放感を抱きながらポーズを取り、その一瞬をフィルムに残す。もちろん何度もジャンプし、何度もびしょ濡れになって。その後、フィルムをデジタル化し“いつかのどこか”を創り上げたら、印画紙にレーザー照射する。アナログ、デジタル、アナログと行ったり来たりして一枚の写真を完成させるのだ。

 「そこに行く」ことにこだわる彼はまた、「そこにいなくても美しい」という点にもこだわる。彼が不在でも、建築物のシルエットや水面の表情には心惹かれる何かがあり、見る者の記憶やその時のコンディションとリンクして、想像を駆り立てる。どんな想像が広がるにせよ、根底にあるのは“ユーモア”である。現在まで29作続く連作でありながら、販売は今回が初めての試みだ。この15年間、彼はユーモアを追求することに夢中だったのだから。

作品
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ギャラリーコレクション

2019年6月