​高木智広

日本のアーティスト、髙木智広による油絵は、ファンタズマゴリアと見事なリアリズムが魅力的に融合しています。鑑賞者は、動物をイメージして描かれた登場人物たちの心の中にある想像力を見ることができます。思わず自分自身の本質を考えてしまうような表現がなされています。人間と野生動物の境界線はどこにあるのか、どれほど脆く繊細なのか。

    作家の人間観は、パプアニューギニアに滞在し、野生の自然と共生している先住民族の中で、その影響を受けて形成されました。西洋文化では、人の性格を様々な動物との類似性と結びつけて解釈する伝統は、古代のトーテム信仰にまでさかのぼります。古代の哲学者たちは、様々な動物に似た人間の性格の特性を詳細に記述しようとする最初の試みを行いました。例えば、アリストテレスは『動物の歴史』の中で、いわゆる動物生理学(美術評論家ユルギス・バルトルサイティスの造語)に注目しています。古代人は、動物はふりをしていない、彼らの行動は自然であると推論したので、人々は彼らの本能に従うことによって、彼らの性格について一般化することができました。一方、人間は秘密主義であり、その隠された資質を理解するのは容易ではありません。しかし、人間は動物に似ていることから、魂を掘り下げることができます。この習慣は何世紀にもわたって変化してきましたが、今もなお東西の文化的文脈にしっかりと組み込まれています。

    髙木の描く人間像は、単に動物に似ているのではなく、動物と人間という二つの本質から構成されているように見えます。作家は、モデルに対応する動物のイメージを、そのキャラクターの特徴に応じて紹介しています。擬人化された、あるいは拡大された肖像画のディテールは、古代神話の生き物や神々に似ています。

    髙木の写実的な作法は、この印象をさらに強めています。鑑賞者が空想と現実の区別がつきにくい空間を作り出しています。登場人物のイメージの中に登場する動物たちは、ある種の記号化をして、主人公の行動様式を規定しています。また、比喩的なイメージが登場人物の気質を完全に明らかにしています。鑑賞者が髙木の繰り広げる物語と想像上の同一性を持つことで、私たちは自分自身の潜在意識に深く入り込み、自分自身をより明確に理解することができるのではないでしょうか。

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ギャラリーコレクション

2019年6月